その様子を見た柚太は、奏の体調が悪化してしまうんじゃないかとやや不安げになる。

だが行けないよりは良いと思ったのか、その思いを佐和に対してぶつける事はなかった。


「……なあ」

「はい?」

「いや、何でもない……」


何を持って行こうかと考える佐和を近くで眺める咲に、旭は何かを聞こうとする。だが途中でそれをやめる。

旭はずっと感じていた。咲の様子がさっきから少しおかしい事に。

だがそれは気のせいなのかもしれない。旭はそう思う事にした。

その後スケジュール等の都合を考えた結果、来週の月曜日にお見舞いへと行く事が決まる。

その時に既に退院していたら、快気祝いにささやかな会を開く事となり。

4人は2人が早く良くなる事を願いつつも。迫る5時間目の授業に備え、その場はお開きとなった。