コンコン ダメ元でノックを鳴らすが このくらいじゃ、しーは起きないなんてことは 俺がいちばんよく知っている。 はぁ……と息を吐くと 「しー、入るぞ?」 そういって俺は部屋の中にはいった。 小さい頃から変わらない配置。 変わったのはランドセルがスクールバッグになったことくらいだろうか。 それと……… 絵本が並んでいたその場所は 気づけば少女マンガとファッション雑誌が陣取っていた。 よく見れば、色鉛筆が転がっていたはずの机の上にも マニキュアの小瓶がきれいに陳列している。