必死に異常がないことをアピールすると、保健の先生も猪熊先生も、大丈夫だろうという結論に至ってくれて、ホッとした。
ベッドから下りようとしたら、保健の先生に止められた。
「もう少し寝てなさい。
さっきまで意識がなかったんだから、あと30分は横になっていなさい」
「はい……」
もう大丈夫なのにと思いながらも、大人しくベッドに横になる。
猪熊先生は「何かあったら呼んでください」と保健の先生に言い残して、保健室を出て行った。
猪熊先生と入れ違いに、保健室のドアがガラリと開く音がして、
「先生ー、膝、すりむいたー」と、女の子の声がした。
保健の先生は「あらあら」と言いながら、その子の手当てをしに私の側を離れてしまう。
カーテンで仕切られた空間には、ベッドに横になる私と、ベッドサイドの丸イスに座って私をジッと見つめている春町くんが残された。
そんなに見ないで欲しい……。
寝ている姿を見られるのって、すごく恥ずかしいよ……。


