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気がつくと私の体は小さくて、幼稚園の年長さんか小学一年生か……。
それくらいの姿になっていた。
あれ? どうして?
あ、そっか。
これはきっと、夢なんだね……。
そう納得したところで、姿だけではなく心まで、懐かしい子供の頃に戻っていた。
更にはこれが夢だという認識も薄れて消えて、小さな私はスキップしながらアスファルトの歩道を歩いていた。
空は気持ちよく晴れ渡り、真っ青だ。
蝉がミンミンと賑やかに鳴いている。
外はとっても暑いけど、赤いリボンのついたお気に入りの麦わら帽子が強い日差しから守ってくれるから平気。
楽しくて嬉しくて、早く“ あそこ” へ行きたい気持ちでいっぱいだった。
“ あそこ” は、住んでいる集合住宅から、信号を渡らずに行ける場所。
道の角を2回曲がると、私にとってワクワクする建物が見えてきた。
それは区民センターと書かれた二階建ての白い建物で、その中に入っている小さな図書館が私の大好きな場所だった。


