このクラスの人から見た私は、関わり合いたくない馬鹿な人間なのかも……。
話しかけてくれた人に結城くんを呼んでもらおうと思ったけど、できなくなってしまった。
私なんかと知り合いだと思われたら、結城くんに迷惑かけちゃう。
そんなこと考えもせずに来た私って、本当に馬鹿だよね……。
「あ、あの、なんでもないです。
すみませんでした!」
ドア近くに座る男子生徒に頭を下げて、慌てて踵を返した。
逃げるように走り出してすぐ、後ろから走る足音が聞こえて、誰かに腕を掴まれ立ち止まった。
びっくりして振り向いて、私を捕まえた人が結城くんだと知る。
「どうして逃げるんだよ」
結城くんは今日も感情が掴みにくい表情をしているけど、私を追いかけたことで乱れた前髪が、彼の焦りを伝えていた。
「だ、だって……迷惑かけちゃう。
結城くんだって茶髪は嫌だと言ってたのに、クラスに押しかけちゃって、私……」
「勘違いしないで。髪を染めている人を非難する気はないよ。
俺はただ、宗多さんらしくないから嫌なだけ。
迷惑じゃないから逃げないで。
本を返しに来てくれたんだろ? 君が来るのを待っていたんだ。感想を聞かせてよ」
「あ……」


