特進クラスの生徒は、中間テストにはまだ早いこの時期に、昼休みまで勉強しているんだね……。
それとも、テスト勉強じゃなく、こういう風景が日常的だったりして……。
結城くんの姿を探す前に、スゴイなぁと思って開いていたドアから覗いていたら、入口近くに座る男子生徒が私に気付いた。
「誰か探しているの?」
と、その人は親切に声をかけてくれたけど、
眉間にシワを寄せて顔をしかめ、嫌なものを見たと言いたげな表情をしていた。
彼が私に声をかけたことで、静かに勉強中だった他の生徒達も一斉に私に注目した。
どの視線も、否定的に感じる。
「誰?」「知らない」
ひそひそと囁き合う声がして、
「茶髪メイク……頭悪そう……」
そんな呟きも、小さく聞こえてきた。
私は顔から、血の気が引いていくのを感じていた。
手に持っている文庫本が、微かに震えていた。
そっか……。
私は、ここに来ちゃいけなかったんだ……。


