明日はきっと晴れるから




そういえば今日は徳波文庫の新刊発売日。

今月のラインナップはどんな小説なのだろう?



書店に寄りたくなって「美緒ちゃん、あの……」と話しかけたが、

同時に由希奈ちゃんが「あー!」と言って、通りの反対側を指差した。



「あたし、マツキヨ寄るー」



その言葉で、次の行き先がドラッグストアに決まった。


後ろ髪を引かれる思いで、大型書店の前を素通りする。


徳波文庫の新刊は、今度、近所の小さな本屋さんに行って見てこようかな……。



みんなにくっついて信号を渡り、ドラッグストアに入った。


奥が見通せないほどに広いドラッグストアは、色んな制服の女子高生がたくさん来ていた。


美緒ちゃんと由希奈ちゃんは化粧品コーナーを見ると言い、春町くんと紺野くんは他に見たいものがあるからと別行動になった。



ずらりと並ぶカラフルなチークや口紅の見本を、美緒ちゃん達は色々と試して楽しんでいた。


私は商品陳列棚の前をゆっくりと往復する。