でも、菜乃花は違った。
私に今まで友達がいなかったことをおかしなこととは見なさず、彼女はなぜか喜んでいた。
「わーっ! 嬉しい!
ゆきちゃんと私って、似てるね。
私もね、今まで友達がいなかったんだ。
クラスメイトはいるよ? でもね、一緒に遊んだことはないの」
その言葉に、今度は私が驚いた。
私が見る限り、菜乃花は明るくていつも楽しそうで、よく喋る子だ。
友達になろうと言ってくれたのも菜乃花からで、積極的だと思う。
それなのにどうして友達がいないのか。
もしかして、小学校でいじめられているんじゃ……。
そんな心配は、的外れだった。
菜乃花は笑って、私に言った。
「私ね、本を読んでいる時間が一番楽しいの。
いつもひとりで本を読んでいるから、クラスの女の子と一緒に遊んだことがないんだよ」
「それなら……読書の時間を減らせば友達ができるんじゃない?」
「うん、そうだと思うけど、嫌だよ。
友達は欲しくても、本が読めないのは困っちゃう。
私ね、いっぱいいっぱい読みたいの。もっとたくさん読みたいの。
これが私だから、このままでいいんだもん
これが、私らしい私なんだもん!」


