【雲の上からサンタクロースが降りてきて、子犬に言いました。
「可哀想な子犬よ。クリスマスには早いけど、お前に羽をプレゼントしてあげよう」
背中に羽がはえてきて、子犬は……】
どんな結末になるのかと隣で静かに見守っていたら、「はい!」と菜乃花にペンを渡されてしまった。
結末を書くのは、菜乃花じゃなくて私みたい。
どうするか……。
少し考えてから、ノートにペンを走らせる。
【背中に羽がはえてきて、子犬は喜んで大空へと羽ばたきました。
空には小鳥の群れが楽しそうに飛んでいます。
「僕と友達になって」
子犬はそう言って近づいたけど、小鳥たちは驚いて逃げてしまいました。
「待って、待ってよ!」
子犬は小鳥を追いかけました。
けれど小鳥の逃げるスピードの方が速いので、子犬はとうとう小鳥たちを見失ってしまいました。
悲しくなって子犬は地上に降り立ちました。
そこは見慣れた家の前。
ドアが開いて飛び出してきたのは、お父さん犬とお母さん犬と、兄弟犬たちでした。
みんな子犬が戻ってきたことを喜んでくれました。
元の飼い主さんも、子犬が捨てられたことを後から聞いて悲しんでいたので、大喜びです。
背中の羽はもう必要ありません。
気付いた時には跡形もなく消えていました。
おわり】


