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菜乃花と図書館で初めて話した日から、今日で一週間が経過した。
日曜の閉館日以外、菜乃花は毎日来て、私と一緒に本を読んだ。
驚いたのは、菜乃花は小学校高学年用の年齢的に難しい本も、スラスラ読めるということ。
本ばかり読んで過ごしてきた私も、今読んでいる本は小学校高学年向けがほとんど。
そのため、菜乃花と本の感想を言い合うのは興味深かったし、楽しいと感じていた。
お昼になって、菜乃花はいったん自宅に帰って昼食を食べてから、午後1時に戻ってきた。
私は談話室で、コンビニのおにぎりをちょうど食べ終えたところ。
お昼の談話室内は子供やお年寄りで賑わっていたが、私の横のソファーベンチは空いていたので、菜乃花は隣に座って笑顔を向けた。
「ゆきちゃん、あのね、ふたりで物語を作ってみない?
交互にお話を考えるの。きっと面白いと思うんだ!」
突拍子もないことを言い出した菜乃花の手には、新しいノートとペンが握られていた。
それに物語を書いてみようと誘われた。
物語は読むものであり、作るという発想を持っていなかったので、面食らった。
でも、面白そうだという気持ちもしていた。


