明日はきっと晴れるから




私は踏み台をズズズと押して、ぴょんぴょん飛び跳ねている女の子の後に置いた。


台の上に乗り、青い本を引っ張り出して、彼女の手に持たせてあげた。



驚いたような顔をして、私を見上げる女の子。


私が踏み台から下りると……

「なぁんだ。台に乗ってたんだね。大きいからびっくりしちゃった」

そう言って笑った。



青い本のタイトルは、【空色のゆきちゃん】

それは2日前に私が読み終えた本だった。


何気なく「この本も面白いよ」と、別の本を紹介すると、あどけない瞳がキラキラと輝いて嬉しそうに私に言った。



「本が好きなんだね!
あのね、私、菜乃花。お友達になろ?
あなたの名前は?」



食いつくように言われて、面食らった。


友達? 悪い気はしないけど、その言葉がしっくりこない。


私には今まで、ひとりの友達もいなかった。


幼稚園には通えなかったし、小学校にもまだ行かせてもらえない。


もっと幼い頃は、母親は「危ないから」という理由で私を滅多に外に出してくれなかったから、公園で友達を作ることもできなかった。



友達か……。


具体的に何をしたら友達関係が確立するのかわからないけど、頷いてみた。


この女の子ーー菜乃花と、たくさん話をしてみたいという気持ちを感じていた。