信号をひとつ渡って、図書館が入っている区民センターと書かれた二階建ての白い建物に向かう。
すると、道の右側から鼻歌が聞こえてきた。
歌っているのは、同じ歳くらいの女の子。
薄いピンク色のTシャツに白いキュロットスカート、赤いリボンの付いた麦わら帽子を被って、スキップしながらこっちに向かってくる。
女の子は友達と一緒じゃなく、ひとり。
それなのに、なぜかとても楽しそう。
一体何がそんなに楽しいのかと興味を引かれて、信号を渡り切った場所でつい立ち止まり、その子を見ていた。
一方、女の子は私に気づかない。
区民センターの入口しか見ていない。
鼻歌は吸い込まれるように自動ドアの内側に消えて行き、私も彼女の後を追うように区民センターの中に足を踏み入れた。
建物の中ではさすがに鼻歌を歌うのはやめたけど、彼女の全身から“ 楽しい” という感情が伝わってきた。
彼女の目的地も私と同じ、このふくろう子供図書館で、そこでやっと思い出した。
そう言えば、昨日も一昨日も、彼女をここで見かけたということを。


