この廊下も階段も、あの頃と同じ。
覚えてる……思い出してきたよ……。
2階へ上がると現れたのは、アーチ型の木目のドア。
ドアの上部には【ふくろう子供図書館】と書かれた札があって、あの頃とはちょっと違う親子ふくろうのイラストも貼ってあった。
懐かしい、子供図書館。
あの頃は大きなドアだと思っていたのに、今見ると、こじんまりとした印象を受ける。
10年以上も前のことだもんね……。
忘れていた想い出たちが、記憶の殻を破ってひょっこりと顔を覗かせ始めていた。
目的地に着いて、やっと結城くんが繋いでいた私の手を離した。
ドアをゆっくりと押し開けて中に入り、私も彼の後に続いた。
ああ……この香りも同じだ……。
小さな頃から今でも大好きな、図書館の香りがした。
紙とインクとお日様みたいな香りに包まれて、心もあの頃に返ったように、ドキドキワクワク、たまらなく嬉しくなってしまう。


