明日はきっと晴れるから




私が飛び込もうとしていた方と逆側に、電車が止まっていた。


結城くんは私の手を引いて、ふたり分の鞄を持ち、その電車に乗り込んだ。


空いている車内の空いている座席に、並んで座る。


座っても手は繋いだままで、結城くんは離そうとしなかった。



「結城くん、あの……」


「今は何も聞かないで。
目的地に着いたら、全てを話すから」


「うん……」



結城くんが “ゆきちゃん” だと言ったことや、昔の私を取り戻しに行こうと言った意味、

聞きたいことはたくさんあるけど、今は聞いちゃダメなんだね……。



結城くんはシートに深く座り、正面の窓を流れる街の景色を、ただ黙って見つめていた。


その綺麗な横顔に私は見惚れながら、記憶の中から朧げな美少女の顔が浮かんできて、今の彼とそっと重なった。



結城くんが、あの時のゆきちゃん……。


小さな私は図書館で、手の届かない高い所にある本が取れなくて困っていたんだよね。


そうしたら女の子が踏み台を持ってきて、取ってくれた。