通勤通学の人がいないホームは、人がまばらで急に寂しげになる。
電車の本数も減り、目の前の線路には少なくとも10分ほど電車が止まっていない気がする。
ベンチに鞄を置いたまま、ふらりと立ち上がった。
気持ちの悪さは消えていた。
心の中は黒く澄んでいて、何も感じなくなっていた。
ふらふらと吸い込まれるように線路へ近づいていき、ホームの縁から二歩手前で立ち止まる。
目下には、レールと枕木と砂利。
どれも黒ずんで汚れていて、今の私と同じに見えた。
汚い自分は嫌い。
私なんか大嫌い。
元の私に戻れないなら、早く今の私を辞めたい……。
パアッと短い警笛が耳に聞こえた。
視線を横に移すと、ホームに電車が入ってくるところだった。
一歩、二歩。
足に力を入れて、前に進む。
次の足を踏み出せば、私の体は線路に落ちて電車に轢かれることだろう。
それがいい。
もう、自分が嫌で嫌で仕方ないから……。


