いつもより1時間早く家を出たので、電車内は比較的空いていた。
同じ制服の高校生はいなくて、ほとんどが通勤の大人たち。
座席には座らず、つり革に掴まり流れる車窓の風景をぼんやりと見ていた。
街路樹も民家もお店も、人も車も、景色の全てがくすんで見える。
まるで、私なんかに見られたくないと言っているみたいに……。
いつもの学校最寄りの駅で電車を下りると、急に気分が悪くなった。
目の前が揺れていて、気持ち悪くて、ホームのベンチに腰を下ろした。
この駅は3つの路線が交わる大きな駅なので、早朝の早い時間でも混雑していた。
目の前には、線路と電車待ちの人の列。
後には、私が下りたばかりの電車が、新しい乗客を乗せ発車のベルを鳴らしていた。
ホームにベンチはいくつもあるけど、座っているのは私だけ。
学生鞄を立てて膝の上に置き、その鞄の上に両腕を乗せて額をつけた。


