殺人犯の娘……。
殺人犯の娘……。
殺人犯の娘……。
由希奈ちゃんの声で勝手に脳内でリピートしてしまうその言葉は、まるで鋭利なナイフみたいに私の心に突き刺さる。
見えない血がドクドクと流れていた。
痛くて苦しくて、制服の胸元をギュッと掴んだ。
「菜乃花ちゃん、まじゴメン!
俺はそんなこと考えないし美緒も……あっ、待ってよ!」
春町くんのフォローの言葉も聞けないくらいにショックが大きくて、その場から逃げ出した。
今くぐったばかりの改札をまた通って、駅の外に飛び出し、電車に乗らずに家の方向へと走りに走った。
私は私じゃなくなって、じゃあ私ってなんなの?ってわからなくなってたけど、由希奈ちゃんが教えてくれた。
私は殺人犯の娘……。
汚れた存在なんだ。
宗多菜乃花は、もういない。
結城くんが好きになってくれたかつての私は、どこにも存在しない。
今、息を切らせて走っているのは、黒くて人の害にしかならない……
そんな人間なんだ。


