予想外の誘いに、驚いていた。
どうして?
私はもう茶髪じゃないし、メイクもしていないよ。
美緒ちゃんと由希奈ちゃんにダサ子と言われる存在で、そんな私を仲間にしたくないはずでしょ?
それに今はクラスの皆んなが私を避けている。
汚いものを見るような目で見られている。
そんな私と一緒にカラオケ?
どうして……?
訳がわからなくて言葉に詰まる私に、春町くんがバツの悪そうな顔して言った。
「ほら、前に水飲み場で菜乃花ちゃんが嫌がること、しちゃったからさ……。
なんて言っていいか……お詫びみたいな?
あの後、ちゃんと謝らなかったことがずっと俺の心でモヤモヤしてて……。
あ、それとさ、菜乃花ちゃん、今大変じゃん。
カラオケとか行ったら楽しい気持ちになれていいんじゃん?って感じで……」
それを聞いて、納得した。
ああ……そうだね。
春町くんって、そういう人だったよね。
水飲み場で私に無理やり“ キス友” の意味を理解させようとしたことを、反省しているみたいだけど、
『俺の心でずっとモヤモヤしていて……』それがこの誘いのメインの理由なんだね。
悪かったと思う自分の気持ちを軽くしたくて、お詫びをしたかったみたいだね。
それって、私のためじゃないよ……。
そんな風に捉えてしまう私は、心が汚れているのかな……。
でも、カラオケに行っても私が楽しい気分になることは絶対にないし、嫌な気持ちにしかなれないのに。
春町くんは私のことを、全くわかっていない。
それは仕方ないことだとわかってもいるけど……。


