グループを抜けてから、春町くんたちは私に話しかけたりしなくなった。
一度、靴箱前で私から『おはよう』と声をかけたことがあったけど、美緒ちゃんと由希奈ちゃんに無視されてしまい、
それからは私も、挨拶さえしなくなった。
それが夏休み前のことで、お父さんのことがあった後はもっともっと声をかけにくい状況になっている。
なるべく春町くんたちの方を見ないようにして、改札を通過し、ホームの方へ向かおうとしていた。
うつむき加減で3人の前を通ると、はしゃいでいるような由希奈ちゃんの笑い声がピタリと止んだ。
足早に通り過ぎる私の腕は誰かに捕まえられて、立ち止まることになってしまった。
私を止めたのは、春町くん。
彼は少し困ったような笑顔を浮かべて、私に言った。
「ええと、あのさ、これから皆んなでカラオケに行くんだけど、菜乃花ちゃんも久しぶりに一緒にどう?」
「え……?」


