司書先生にお弁当を食べていきなさいと言われたけど、そんな気持ちになれなくて、ペコリと頭を下げてから図書室を後にした。
私はもう、私じゃなくなった。
じゃあ、ここにいる私は一体なんなの?
私じゃない私って、どんな私?
考えれば考えるほど、自分と言う概念が崩れていく。
今までこれが私なんだと信じていたものが、体から離れてふわふわと辺りを漂い、薄れて見えなくなっていく感じがしていた。
放課後。
昨日までは結城くんと一緒に駅まで帰っていたけれど、今日はホームルームが終わるとすぐに教室を出て、ひとりで学校を後にした。
私はもう、私じゃない……。
じゃあ、今ここで考えている私はなんなんだろう……。
自分を見失うという不思議で怖い感覚に悩みながら、駅の改札にたどり着く。
すると前方から、キャハハと明るい笑い声が聞こえてきた。
ハッとして前を見ると、春町くんと美緒ちゃんと由希奈ちゃんの3人が、改札を通った先の壁にもたれて楽しそうに話していた。
紺野くんの姿がない。
きっとどこかに行っている紺野くんをここで待って、それから4人で遊びに行くのかなと推測した。


