明日はきっと晴れるから




走って図書室にたどり着いた。

いつもは静かにドアを開けないとと思うけど、今は気持ちが落ち着きをなくしているので、音を立てて開けてしまった。


図書室内に人は少ない。

1年生の女子生徒がふたりいるだけ。


彼女達は大きな音に驚いてこっちを見てから、もっと驚いた顔をして、すぐに本棚の陰に隠れてしまった。


私と接点のほとんどない1年生にも避けられるなんて……。


泣き出したい気持ちをなんとか堪えて、無人の貸し出しカウンター前を横切り、図書準備室に繋がるドアを開けた。



ここに入れば結城くんがいるから、もう大丈夫……。


結城くんの濁りのない黒目に、私を映して欲しかった。

いつもの淡々とした口調で、『本を開きなよ』って言ってもらいたかった。


今の私の逃げ場所は、結城くんの隣だけ……。



「結城くんっ!」



名前を呼んで飛び込んだのに、彼の姿がなかった。


司書先生が机で何か、書きものをしているだけ。


いつもと違う私の様子に、司書先生は驚いていた。



「あ……ごめんなさい。
結城くん、まだ来てなかったんですね……」



結城くんの特進クラスの方が少し図書室に近いから、大抵は彼が先にここにいた。


だから、このドアを開ければすぐに会えるような気がして、つい名前を呼んで飛び込んでしまった。