さっきまでは結城くんに会えたことに驚いて、喜んで、胸を高鳴らせていたはずなのに、
現実に引き戻された途端に、弱虫な私は怯えてしまう。
どうしよう……怖いよ……。
結城くんに嫌われると考えただけで、心が壊れてしまいそう……。
自分の心を守ろうとして、無意識にTシャツの胸元を両手でギュッと掴んでいた。
目を合わせることができなくなって、下を向いた。
怖い……怖いよ……。
震える私に、結城くんがゆっくりと近づいてくるのが分かった。
一歩、二歩。
うつむく私の視界に、結城くんの足元が入り込む。
嫌われる怖さに耐えきれずに固く目をつむると、体に彼の両腕が回され引き寄せられた。
びっくりして再び目を開けた時には、私は結城くんの胸の中にいた。
耳元に、落ち着いた彼の声が忍び込む。
「怖がらないで。大丈夫。
俺はいつでも、宗多さんの味方だよ」
「私のこと……嫌じゃないの?」
「嫌じゃないよ。
なぜ、そんな風に思う?」
「だって、私のお父さんが……」
「君のお父さんは過ちを犯したのかもしれないけど、君は君だよ。お父さんとは別の人間。
亡くなってしまった人がいることを悲しんでもいいけれど、その責任を感じてはいけない。
君には何の落ち度もないのだから」


