結城くんの話し方に、自慢している雰囲気は微塵もない。
いつものように淡々と、何でもないことのようにさらりと事実を説明しただけみたい。
「すごいね……」
私、ここに来てから『すごいね』ばかり言っている。
自分の語彙不足が恥ずかしくなるけど、それ以外になんて言っていいのかわからない。
結城くんは特進クラスだから、頭がいいのはわかっているつもり。
でも、もしかすると、私の理解を超えた頭脳の持ち主なのかもしれない……。
感心してばかりの私に結城くんは、
「話を聞いてもいいかな?」と切り出した。
その言葉で急に現実に引き戻される。
お父さんがやってしまったことを……結城くんも知っているんだよね?
ニュースやワイドショーで連日大きく扱われていたし、家の前のマスコミの存在も知っている風だったし、
結城くんは何もかも知ってるんだよね?
途端に不安に襲われる。
私のこと、どう思っているのかな?
ここに連れてきてくれたのって、どういう思いからなの?
結城くんも世間の人たちと同じように、私のお父さんのこと、酷い警察官だって怒っているのかな?
娘の私のことも、悪く思うのかな?


