リビングのカーテンを開けようかどうしようか、迷っていた。
外はうっすらと明るくなっているのが、カーテン越しに見て取れる。
開けて朝日を部屋の中に入れたいけど……外にまだ、マスコミの人達がいるかも知れない。
カーテンの隙間から、そっと外の様子をうかがってみた。
マスコミがひとりでもいたら、カーテンは開けないでおこう。
お母さんが起きてから開けることにしよう。
心細さから、そう思っていた。
うちは10階建てマンションの3階。
この窓はマンションの入り口側に面している。
さすがにこんな早朝では、マスコミ関係者らしき人の姿はなかった。
そのかわり、ひとりの男の子が自転車にまたがり、私の方を見上げていた。
「えっ……結城くん……?」
慌ててカーテンを全開にして窓も開けると、結城くんは片手を上げて手招きしていた。
窓を閉めて、急いで玄関へ走る。
ドアの開閉だけ音を立てないよう気をつけて、玄関を飛び出してからマンションの廊下を走り、階段を駆け下りて久しぶりの外へと飛び出した。


