え……まさか……。
由希奈ちゃんが一歩前に出て、私の右腕を捕まえた。
それを見た美緒ちゃんが、一応言葉で止めてくれる。
「やめなって。菜乃花はもう、無理なんだよ。
うちらと考え方が違うから。
だから最初に言ったのに。
仲間に入れても困るのは菜乃花だから、やめた方がいいって」
「え〜でも〜してみたら変わるかもよ?
楽人のキス、超気持ちいいもん。しちゃえば菜乃花も、またしたいって思うよ、きっと」
由希奈ちゃんのその言葉に、慌てて掴まれていた手を振り払い、更に一歩距離を取る。
冗談だよね……?
私、そんな軽い気持ちで、春町くんとキスなんかしたくないよ……。
逃げなくちゃ……。
そう思ったのだけど、今度は春町くんに左腕を掴まれてしまった。
「菜乃花ちゃん、ちょっとだけキスしてみよっか? 軽いヤツにするから平気だよ。
美緒はああ言ってるけど、俺は今さら菜乃花ちゃんを仲間から外したくないし、
そうなると、俺らに合わせてもらうしかないんだよね。
大丈夫。俺は優しいよ?
してみたら、キスなんて大したことじゃないって、わかってもらえるから、ね?」


