水飲み場の奥で、美緒ちゃんは春町くんの首に両腕を回しかけ、
春町くんは美緒ちゃんのウエストに腕を回して密着し、唇を重ねていた。
その横で由希奈ちゃんが、
「あたしもしたい〜」
と、春町くんの片腕を揺すっている。
え……。
これって、どういうこと?
私の手から鞄がドサリと床に落ち、その音でみんながやっと私の存在に気づいた。
春町くんと美緒ちゃんは唇と体を離して私を視界に入れ、由希奈ちゃんと紺野くんも私に顔を向けた。
私の中に、なぜか焦りが生まれる。
見てはいけないものを見てしまった感覚で、罪悪感に似た気持ちも湧いてくる。
美緒ちゃんと春町くん、付き合ってたんだ……。
あれ? でも、由希奈ちゃんもキスをせがんでいたし、由希奈ちゃんも春町くんと?
え? あれ?
よくわからないけど、キスを見てしまったのってよくないよね……。
不可抗力だけど、謝った方がいいんだよね……?


