言ってしまおうかな。
私らしい私に戻りたいって……。
でも……。
やっぱり友達を失うのは怖いし、どうしよう……。
心の中で二つの気持ちがシーソーのように右へ左へ揺れて、決められない。
美緒ちゃんと由希奈ちゃんは睨んでいるし、周囲のクラスメイト達もこっちに注目してヒソヒソ話している。
怖くて恥ずかしくて、勝手に潤んでくる瞳から涙が溢れそうになった時、
「喧嘩しちゃダメだよ」
と、声がした。
同時に午後の授業開始5分前の予鈴が鳴る。
春町くんと紺野くんが、1年生女子とのお昼を終えて戻ってきたところだった。
春町くんが私達の間に割って入り、笑顔で言う。
「何があったか知らないけどさ〜、仲良くしよ?ね?
美緒と由希奈、手を出して。菜乃花ちゃんも」
春町くんに言われて出した右手に、美緒ちゃんと由希奈ちゃんの手が重ねられ、
3人分の手を春町くんの両手がサンドイッチのように挟み込んだ。


