なんとか二回目のカラーリングの話をかわそうとしたのだけど、それがふたりを不機嫌にさせてしまった。
美緒ちゃんは呆れた目で私を見ていて、由希奈ちゃんは文句を言ってくる。
「人がせっかく可愛くなるように協力してあげてんのに、なんで断るの?
この前だってアイラインはもっと太めに入れなよって教えたのに、やらないし。
てか、だんだんメイクが薄くなってきてない?
うちらと一緒にいるなら、もっと可愛くしてよ。
そんなんじゃ恥ずかしくて、一緒に歩けないじゃん!」
「由希奈、やめなよ。声デカイから」
「だってぇ、美緒はムカつかないの?」
由希奈ちゃんにまくし立てられて、私は泣きそうになっていた。
昼休みの教室内には、私たち以外にもクラスメイトが大勢いる。
「なに?」
「喧嘩じゃない? こわー」
そんなひそひそ声が耳に届くのも、辛い。
さっき私を助けてくれた美緒ちゃんに縋る視線を向けたけど、今度は助けてくれないみたい。
冷めた目で私を見て、こう言われてしまった。
「菜乃花、もしかしてうちらと一緒にいるのヤダ? 苦痛?
そう思ってんなら、無理してうちらに合わせなくていいから。
もとのダサ子に戻ればいいじゃん。
後は知らないし、バイバイになるけどね」


