春町くんと紺野くんが教室から出て行くと、窓際の一角には私と美緒ちゃん、由希奈ちゃんの三人だけになった。
人数が減って少し淋しいけど、悲しくはない。
そんな自分の感情を不思議に思っていた。
私って、春町くんが好きなはずだよね……。
彼の優しい言葉と態度にドキドキしたり顔が熱くなったりすることが何度もあったから、自分が春町くんを好きなんだと思っている。
でも、1年生の女の子と彼が楽しそうに教室を出て行っても、嫉妬の感情は湧いてこない。
私が今まで読んだ恋愛小説の中では、こういう場面で主人公の女の子は、傷ついたり悲しんだり、嫉妬の感情に悩まされていたのに。
どうして私は平気なの?
物語と現実では違うということなのかな?
今まで恋した経験がないから、わからないや……。
そんなことを思いながら黙々とお弁当を食べ終えて、袋にお弁当箱をしまった。
美緒ちゃんと由希奈ちゃんは私より早く食べ終えていて、机上に化粧道具を並べてメイク直ししていた。


