返事を書き終えた結城くんは、目線を再び私に戻した。
濁りのない黒く澄んだ、綺麗な瞳。
その瞳に映っているのは、茶髪の私……。
困ってしまって、目を逸してうつむいた。
やっぱり私たちは過去に 出会っているみたい。
詳しい話を教えて欲しいけど、そのためには今の私じゃダメなんだね……。
どうしよう。
髪の毛を黒く染め直して、メイクもやめて、制服も以前の私みたいにきっちり正しく着るようにしようかな……。
放課後にカラオケとか、繁華街をうろうろするのもやめて……。
でも、そうしたら春町くん達に嫌われちゃう。
こんな私を仲間に入れてくれた友達を、裏切ってしまうことになる。
きっともう、一緒にお弁当を食べることもできなくなるよね。
『ダサ子は無理』って、言われちゃうよね。
それは悲しいな……。
困って迷って考え込んでいる私の手から、結城くんの大きな手が離れていった。
それまで温かかった手の甲に冷房のひんやりした空気が触れると、手だけじゃなく心の中まで寒くなった気がした。


