ダサイ……。
その言葉に反射的に自分の髪の毛に触れた。
肩までの長さに切り揃えられた黒髪は、すいたりしていないので少々重たいかもしれない。
前髪はいつも自分で切っていて、直線的。
近所のおばあちゃんに「こんにちは」と挨拶した時、「こけしちゃんみたいで可愛いわね」と言われて喜んだことがあったけど、
同世代の人にはダサイと思われていたんだね……。
そのことに初めて気付いた私は、傷ついてしまった。
視線を床に落として、震える声で言葉を口にした。
「あ、あの……春町くん、自己紹介の時は助けてくれてありがとうございました。
私……えっと……帰らなくちゃいけないから……」
一刻も早くこの場から立ち去りたかった。
これ以上ここにいたら、もっと傷つく言葉を言われてしまいそう。
ペコリとお辞儀して背を向けたけど、春町くんに腕を掴まれてしまった。
強く引っぱられ、手から鞄がドサリと落ちた。
「えっ⁉︎ きゃあっ!」
春町くんは私を軽々と抱え上げ、それまで彼が座っていた机の上に座らせた。
「あ、あの……」
戸惑う私の正面に立ち、春町くんは少し腰をおとして私の顔や髪をジロジロと見ている。


