「すみません……」
と、小さな声で謝ってうつむいた。
すると結城くんが、自分のノートを私との間に置いて、そこに何かを書いていた。
【どうした? もしかして、俺に用事があって図書室に来たのか?】
私もシャープペンシルを持ち、彼の言葉の下に文章を書く。
【そう。結城くんにどうしても聞きたいことがあって、追いかけてきたの。
勉強が終わるまで待ってるから、そのあと少し話してもいい?】
結城くんは、すぐに返事を書いてくれなかった。
私の顔を真顔で見つめたまま、何かを考えているみたい。
じっと見られていると、ますます動悸が激しくなる。
過去の話が聞きたいだけなのに、私、どうしてこんなに緊張しているんだろう……。
胸がドキドキして何だか恥ずかしい気もして、
これじゃまるで、恋愛小説の中で好きな人に告白しようとしている女の子みたい……。
“ 恋愛小説のヒロイン”
勝手に浮かんできたその例えに、瞬時に顔が真っ赤に染まった。


