―それは、運命だったのかもしれない。 胸が勝手に高鳴る、澄んでいながら力強いハイトーン。 五感を全て持っていかれるような感覚。 こんな音を作り出せるのは、あの人しかいない。 忘れようとしても忘れられない、自信に満ちた横顔。 「美緒さん…。」 私はきっと、どんなになっても彼女の音からは逃げられない。