「してないわけないですよね?だって前までちゃん付けで呼んでたのに、今なんて幸せそうに朱里って呼んでるんですもんね~。あーあ。私なんてついこの間に失恋したばかりなのにな……」
『え、ちょっと待って。もしかして酔ってる?』
「酔ってないですよ~。まあさっき少しだけ飲みましたけど。って話変えないでくださいよ」
『いやそんなつもりはないんだけど……』
「とにかく!そっちに帰ったらちゃーんとお返ししてもらいますからね!」
『わかったわかった。じゃあ気をつけて部屋戻りなよ?』
「はいはーい」
坂井さんとの電話を終え、部屋に帰ろうとベンチから腰を上げると、少しふらっとした。
もしかして、坂井さんの言っていた通り、酔っているのかもしれない。
でも、私そんなに弱くないしな…。
それからふらつきながら部屋に戻ると、朱里に、「どうしたの?顔赤いけど」と言われてしまった。
よく考えると、私は酔っても顔が赤くなることはなくて、寝てしまうのだ。
だとすれば、、、。
「莉茉、熱あるんじゃない?」
そうかもしれない。実際、今だって少し体が怠い。
そう考えているうちに、朱里は私の額に手のひらを乗せた。
「熱っ!あんたやっぱり熱あるじゃん!無理してたの?」
「してないしてない!ほんの数分前からちょっと怠いな、って思ってただけだよ」


