「ううん、大丈夫だよ」
「じゃあ早速行きますか!」
「うん!」
そう言って私は助手席に乗り込んだ。
静まり返るオフィス街を抜け、高速道路に乗る。
高速道路なだけに景色はほとんど見えなくて、私たちは喋りながら一つ目のサービスエリアまで向かう。
「え、ここからどれくらいかかるんだっけ?」
「うーん、三時間で着ければ早いほうかな」
「遠いね……」
「まあね。じゃあ二つ目のサービスエリアで交代しようか」
「そうだね」
なんていう会話をしつつ、案外空いている道を進んでいく。
まだ朝早いからか、ふたりとも会話はそれほど続かなくて。
会話をしたとしても、眠気を抑えるためにしているに過ぎないくらいだ。
走っているうちに段々と日も昇ってきて、車内に眩しいくらいの朝日が差し込んできた。
待ち合わせをした時も一応日は登っていたけれど、まだそこまで明るくはなかった。
車内に入ってきた朝日によって私たちが完璧に目覚めた頃、車はちょうど一つ目のサービスエリアに到着した。