「あ、あそこ俺ん家」
昔のことを思い出しているときに、渚がそう言った。
その指差す先には大きな高級マンションがあった。
え、待って。よく考えたらこの駅周辺って高級住宅街じゃなかったっけ!?
私がそのマンションを見て唖然としていると。
「どうした?」
「あんたどれだけ凄いとこ住んでんの!?」
「そうか?」
と普通に聞いてくる。
そっか、向井ってすごくいい会社なんだった。
「すごいね、渚。こんなとこに住めるなんて。相当頑張ったんだね!」
「まぁな」
それからマンションの中に入り、エレベーターに乗り込む。
エレベーターのボタンを見て、ああこのマンションは一六階建てなんだな、なんて思っていると。
渚が押した階は一三階で。
もう驚きすぎて言葉も出ない。


