それからしばらく電車に揺られて、渚の最寄駅に着いた。
電車を降りるときも人が多くて出られない私をエスコートしてくれて。
こういう渚の優しいところは今でも変わっていないということを実感した。
「家ここから十五分ぐらいのとこなんだ」
「マンション?」
「ああ。莉茉は?」
「私はアパートだよ」
それから私たちは歩きながら離れてから何をしてたかなんて話をした。
すると渚が優等生だったということが分かって、思わず声をあげてしまった。
「えっ!渚ってそんなに賢かったの!?」
「声でけぇわ。でもそこまででもねぇよ?」
いやいや渚さん。あなた全国的に名の知れた大学出てるじゃないですか。
「うわ、嫌味にしか聞こえない」
「ははっ」
ふたりでこんなに話したのはいつぶりだろうか。
こんな話をして、笑い合って。
だんだんと過去の記憶が蘇ってくる。


