お店に向かって歩いていると、いきなり声を掛けられた。 びっくりしながら振り返ると。 「仕事お疲れ様」 と言う渚がいた。 「え、なんで?」 こんなに暑いのに……中で待っていてくれればよかったのに。 そう言いおうとした私のことが分かったのか、 「だって莉茉と一緒に入らなきゃ意味ないじゃん」 と彼は言った。 でも、それはたぶん嘘で。 実際は、自分一人だけ涼しい所にいるなんて、という彼の生き方が滲み出ている。 自分だけ得をするなんて、間違っている。