お面妖狐




お面をソッと外し、一馬の目を見る。





『一馬、兄様』


「美夜様…?…………………わかりました」






今は一馬と兄様が会話した。


私と兄様はもう一つ力があって、


今のようにできるのだ。





「白夜様。俺、話します」


『いいの?』


「はい。じゃないと、計画が進まない。
と、美夜様が伝えてくれました」





計画。それは、長州に捕まっている母様と父様を助け出すこと。





『わかった』





お面をつけ直し、まだ今を理解していない三人を見る。




「一回しか言わない、よく聞け。御所に火を放ち、その混乱に乗じて
中川宮朝彦親王を幽閉し、一橋慶喜・松平容保らを暗殺、そして孝明天皇を長州へ連れ去ることを計画している」





む、難しい…。