「はい、傷はもう少しで治りそうですね」




自由に動けるようになり、
今は傷口を総司にサラシを巻き直してもらっているところ。





『あ、ありがとうございます』


「でも、おかしいですね。
もう2ヶ月たってますよ?
傷が深くて治りが遅いのはわかりますが、
もうあれから2ヶ月。
もう治りかけでもいいんじゃないですか?
傷口がまだふさがってません」






ソッと私の背中に触れる。



ビクッとしたけど大丈夫。





『そ、それは…。刀のせいです』


「刀??」


『はい。私の刀は、妖怪を殺せる神の力をこめた刀です。
この刀で斬られると、治るに1ヶ月分倍に治りが遅くなるんですよ。

今回は斬られ過ぎたのと、出血が酷かったから、2ヶ月なのかもしれません…』


「そうなんですか…。大変ですね。
でも、なんで?」


『その刀を相手も持っていましたからね。
昔はなかったんですけど、
母様と父様の力を使ったんだと思います…』





傷跡は背中位しか残らないと思うからいいけど。





「この背中の傷は残るんですか?」


『はい。結構深く斬られましたから。
傷跡がつかないことがおかしいんですよ?
治癒能力を持ってる妖怪でもあの刀で深く斬られた傷をきれいさっぱり消すのは難しいんです』