『覚えてなくていいです。
総司さんもそっちのほうが幸せでしょう。
私といたら総司さんは迷惑になるだけですから』
自分にかけてある布団を頭まで引っ張って顔を隠した。
「…でも、なんか変なんですよ。
あなたを見てると、なにかぽっかり空いた気分になって、懐かしい感じで、幸せな気分になります」
記憶がなくても、気持ちはあるんだ…。
『そう…ですか…』
「あともうひとつ。あなたを見つけたとき、回りには変な生き物、あなたは血だらけでしたけど、なにがあったんですか?」
変な生き物は、鬼だと思う。
『特になにもないです。
変な生き物は気にしないでください。
私はただ、自分の獲物を斬っただけですから』
さっきよりも気分が悪くなってきた。
「…あともうひとついいですか?」
どれだけ質問するんだか…。
「あなたをはこぼうとしたとき、
これがあなたのポケットから落ちました」
総司の手にはあのビン。
「このビン。僕の部屋においてあったのとおんなじビンですよね?
このビンの中には赤い液体は入ってませんが、あのビンはあなたのですか?」


