…そっか…。そうだった。
元々、人間と関わったらダメだったんだもんね。
楽しくて、忘れてたよ。
『記憶がなくなるなら、いいよ』
「え?」
『記憶がなくなったら、私の事も忘れて、好きと言う気持ちも消えるはずだから』
少し寂しい。いや、寂しいけど、
私は妖怪、総司は人間。
全然違う。
この人間の姿だって、ただ化けてるだけ。
バレないようにするための変装みたいなものだ。
「いいんですか?それで」
『…うん。総司は人間だし。
全然違うし。
あの事件がなかったら、出会うこともなかったんだし。
それでいいんだよ』
人間と妖怪は隣り合わせの場所にのってるんだ。
でもいつか、その場所が離れていって別れて、会えなくなる。
昔は妖怪も人間と仲良くしていたらしい。
でも、いろいろあって人間とは仲良くできない。