湯船に浸かりながら話す。



広いから私は泳げるね。





「白夜さん、その姿って?」


『これですか?私の本来の姿です。
人間の姿はただ化けただけ。
でも、私の体です』


「じゃあ、白夜さんって…」


『…妖怪ですよ。妖狐です』





湯船からでて、ブルブルと水を振り払う。





『迅雷白夜。これが私の名前です』


「じ、迅雷って!!」





やっぱり、気づいちゃうか…。
というか、知ってたんだ。





『そうです。私は、神に認められた。
神と力の差がほとんどない上級の上級
妖怪です。
妖狐は普通に上級もあるんですけど、
私は上級の上級なんですよ。
兄様も』





この金色の毛と目が証拠。





『怖いですか?目の前に化け物がいて』


「…いいえ。怖くなんかないですよ」


『え…?』





怖い、そういうと思ったのに。





「妖怪だろうが化け物だろうが、
白夜さんは僕の命の恩人でもあり、
仲間です。

白夜さんの正体がなにであろうと、
それは変わりません。
白夜さんは白夜さんですから」