わたし、式場予約しました!

 一真は女なら誰にでも優しいが、瑠可には少し違っていた。

 遠慮がちというか。

 だから瑠可を好きなのだろうと思っていた。

 それでも結局、最後までなにも言わなかったのは、自分に遠慮して、のことだったような気がする。

 一真は恐らく知っている。

 自分と瑠可が兄妹ではないということを。

 こっちに引っ越してきたときには、もう養子縁組は終わっていたし、自分と瑠可は顔も似ているので、他の誰も疑ってはいないと思うが。

 いや、二階堂麻美も居る。

 彼女は恐らく気づいている。

 なにも言われたことはないが、その視線から、そう感じていた。

 学校の廊下。

 瑠可と自分が話していたとき、こちらを見ていた彼女の目つきを見たとき、彼女にはすべて知られていると察した。

 だから、今でも、彼女は苦手だし、あまり会いたくない。

 それにしても、一真と違い、麻美はなにも知り得る状態になかったのに、何故、わかったのだろうな、と久しぶりに彼女の顔を思い出し、考える。

「この間見ていて思ったんですけど。
 和歩さんは、ご両親に対して、遠慮がちですね」

「そうですか?」

「私もなんですけど。
 そういうところが少し似てますね、私たち」

 そう綾子は微笑んでみせた。