昼休み、歩いていけるカフェで、麻美にその話をすると、彼女は手を打って笑い出した。
「あんた、雨宮にそんなこと言ったの!?」
駄目じゃん、と言う。
「雨宮、あんたに気があるのに」
「雨宮、彼女居ますよ」
「そうだけど」
いつか飲み会であったとき、あんたが気に入ってるように見えた、と麻美は言った。
「別に彼女と別れるつもりも、あんたと結婚するつもりもないだろうけど。
ちょっと気になってるあんたに不意打ちでそんなこと言われて、つい、頷いちゃったんでしょ」
そうか、その手があったか、と麻美も呟く。
「なにかのついでのように私も言ってみよっかなー。
九月十三日に式場が空いてるんだって、結婚しない? って」
「あ、すみません。
キャンセルしちゃいました」
なんなのよ、もうーっとわめく麻美を、なんか可愛いな、と思って、瑠可は眺めていた。
やっぱり、おにいちゃんにまだ想いを残してるってことはないか、とその姿を見て思う。



