わたし、式場予約しました!

「そこに書け」

「なにをです?」

「お前の好みのタイプだ。
 こう見えても顔は広い。

 お前の好きそうな男の、二人や三人、何処かから引っ張ってきてやるさ」
と言い出す。

「此処は、親切な式場ですね」

「お前は、手のかかる客だな」
と一真は呟く。

 まあ、せっかく言ってくれているのだから、と瑠可はそこに書いてみた。

 一真が上から覗き込む。

「見ないでくださいよっ」
と隠すと、

「どうせ最終的には見るんじゃないか」
と言われた。

 まあ、それはそうなのだが。

 一応、腕で隠して書き終え、はい、と渡すと、一真はそれを読んで言う。

「背が低くても、イケメンじゃなくても、運動もできなくても、勉強もできなくてもいい。

 ちょっぴりやさしくて、真面目に働いてくれる人。

 ……謙虚だな。

 っていうか、これと正反対の人間なら、お前の周りに居る気がするんだが」

 そう言われて、どきりとする。