わたし、式場予約しました!

 昔から頭の良かった和歩にとって、事態が飲み込めないことなど、そうなかったろうが。

 この妹の奇天烈な行動は、時折、理解できないようだった。

「結婚しようかと思って。
 それで、式場を予約に行ったの。

 そしたら、その日までに頑張ろうかって気になるでしょ」

 和歩は阿呆か、とも言わなかった。

 こちらも、その顔を見る勇気もなかった。

「だって、和歩が出て行くって言うから。

 ずっと一緒だって言ったじゃない、あのとき」

 もうこれから、ずっと一緒だよねって、小さな手を握り合った、あのとき。

「和歩がずっと泣いてて。

 言ったじゃない、私が。

 これからは、もうずっと一緒だよねって。

 ずっと、側に居てくれるって和歩も言ったじゃない」

 あの遠い昔。

 ずっと一緒に居たいと願った自分を。

 今は呪いたい。

 ほんっとうになにもかんがえてなかったなー、と思うが。

 まあ、子供なんて、そんなものか。