わたし、式場予約しました!

「相手が決まって、別の日がいいと言い出したらどうするんだ」

「変えます。

 その日より前ならいつでもいいです」

「なんで此処より後ろは駄目なんだ」
と瑠可が書き込んだ申込書を見ながら一真は言う。

「こだわりです」

 お前は、勢いとこだわりしかないのかと罵られた。

「も、いーじゃないですか、先輩っ。

 あんまりギリギリになっても、駄目そうだったら、キャンセルしますよ。

 式場に迷惑かからないようにっ」

「なに逆ギレしてんだ、こら」

 客に、こらはどうだ、と思った。

「じゃあ、わかった。
 俺が結婚してやろう」

「結構です」

 一真は溜息をつき、

「じゃあ、とりあえず、その用紙に記入して、それから」
と自分のポケットから、手帳を出してきた。