一真の後をついて玄関に行くと、和歩が立っていた。
「帰るぞ、瑠可」
「お前、結婚しても、式が終わったら、
『帰るぞ、瑠可』
とか言って、連れて帰るんじゃないだろうな」
そう言った一真に、
「なんの話だ」
と和歩は問う。
「瑠可は俺と結婚するんだ。
九月十三日に」
もう式場も予約してある、と言う。
いや、あの、ところどころは嘘ではないのだが。
「……九月十三日?」
と和歩は訝しげだ。
その方が結婚うんぬんより気になって、焦る。
「か、帰りますっ!」
と叫んだ瑠可は、慌ててリビングに鞄を取りに戻った。



