「第一、『兄』がいちいち口を挟むことじゃないだろ。
和歩は、『おにいちゃん』なんだろうから」
「引っかかりますね~。
でも、どのみち、うちには親たちも居るんで」
「そのくらいの年になると、外泊のひとつもない方が不安になるだろ? 親も」
また、適当なこと言うなあ、と思いながら、ベッドから降りようとすると、止められた。
立ち上がった一真は瑠可の右肩を掴んで言う。
「お前があっさり寝てしまったから、俺が全部後片付けしたんだぞ」
「あっ、そっか。
すみません。
置いといてくださったら、片付けたのに」
ご褒美はないのか、ご褒美は、と言い出す。
「……今度、なにか奢りますよ」
と言うと、
「今日、もう奢ってもらったろ」
と言う。
「まあ、先輩のような人に、私のような貧乏人がちょこっと奢ったくらいでは、ありがたみもないかもしれませんけどね」
「家とか見て言ってんのか。
これは親の家で親の金。
俺のじゃない」
そう言う一真に、おや、やっぱり、この人、きちんとした人だな、と思った。
見た目と違って。
和歩は、『おにいちゃん』なんだろうから」
「引っかかりますね~。
でも、どのみち、うちには親たちも居るんで」
「そのくらいの年になると、外泊のひとつもない方が不安になるだろ? 親も」
また、適当なこと言うなあ、と思いながら、ベッドから降りようとすると、止められた。
立ち上がった一真は瑠可の右肩を掴んで言う。
「お前があっさり寝てしまったから、俺が全部後片付けしたんだぞ」
「あっ、そっか。
すみません。
置いといてくださったら、片付けたのに」
ご褒美はないのか、ご褒美は、と言い出す。
「……今度、なにか奢りますよ」
と言うと、
「今日、もう奢ってもらったろ」
と言う。
「まあ、先輩のような人に、私のような貧乏人がちょこっと奢ったくらいでは、ありがたみもないかもしれませんけどね」
「家とか見て言ってんのか。
これは親の家で親の金。
俺のじゃない」
そう言う一真に、おや、やっぱり、この人、きちんとした人だな、と思った。
見た目と違って。



